無限に広がる夏空の端っこにぽつんと取り残されたみたいだ。


夜の海を彷徨い続けて、もがいていたわたしを救ってくれたのは、間違いなく美しい悪魔だったのに。


けど、わたしは自分から終わりを告げた。


それでよかったのかもしれないと思いながら、胸が痛むのはどうしてかな。



「隅田ノ川の花火大会?もちろん行くに決まってるでしょ?」


「渋谷の夏フェスって何時からだっけ!?」


「超可愛い水着買ったんだぁ~!」



終業式が終わるまで待ちきれない生徒達の浮かれた会話が聞こえる。


ただでさえ暑苦しい体育館は全校生徒達の熱気もあって蒸し風呂状態。



「和藤さん」