ーーー“……でもね、私の方が彼に惚れてるのよ。立場とか取っ払ってね”
夏目先生の言葉が鮮やかに蘇って胸が詰まる。
「夏休みは明日の終業式のあとからですが、わたしは、もうっ、アナタとは会いません……」
「は?」
元々、条件は夏休みまでだったけど。
唇が震えたのはきっと本心じゃないからだとわかっていながら、眉をしかめた七瀬先輩からぎこちなく目を逸らした。
わたしの全てで強がってみせるしかなくて。
「……それに、アナタがわたしの秘密を誰かに言いふらすような人間じゃないってこと、もう充分わかりましたから」
ーーー本当は夢のように優しい人。
美しい容姿に釣り合った心を持ってる。
まるで、夏目先生のように……。



