「だいたいな、恋なんてするもんじゃねぇんだよ?」 頬を伝う涙を指で掬い上げると濁りのない瞳を迷いなく向ける。 「気づいたら、恋におちてるもんだろ?」 わたしはその春のような淡い感情を知っている。 わたしの心の中に無神経に入ってきたかと思えばじんわりとした温かさを残して、気づいたらいつでも目で追っていた。 「だから、お前はお前のペースでいんじゃねぇの?」 「わたしは……」