リビングに続く廊下の先には恐らくベランダであろう大きく切り取られた窓がある。 レースのあしらわれた品の良いカーテンが両端で丁寧に纏められていた。 「誰もいねぇよ。早くこいって」 「いやっ、やっぱりわたしは……」 それに、なかなか視線が定まらない。 物音一つしない部屋からは人の気配を感じなかったから、もちろん誰もいないのだろうということは理解した。 「ハァ?別になんもしねぇから」 「なんもって……」 半うわの空にいるわたしは繰り返す。