【完】七瀬先輩と秘密の恋におちて




だってアナタには一番心配すべき相手がいる。


それなのに、次に口から出た言葉がわたしをまた惑わせる。



「ただ、顔が見たくて。それでさっき、吹っ飛んで戻ったんだよ」



さっき飛び込むように下駄箱まで来た七瀬先輩を思い出すと、無性に泣きたくなったのはどうしてかな……。



今度は淡く微笑んで、わたしの手をひいてマンションのエントランスをくぐる。



帰るなら今だ……、と心の中で唱えたけれど、あの駐車場を見ていたら思い出してしまって、一人の帰り道を躊躇うのは必然だった。



ーーーだから、せめて雨が止むまで。