【完】七瀬先輩と秘密の恋におちて




「……ほんとですよ。そもそも、傘持ってなかったんですか?」


「うるせぇよ」



悪態ついた七瀬先輩のダークブラウンの髪の先からポタポタと滴が落ちる。



「あのさ、だいたいこんな雨の中、七瀬昴は何してたわけ?」



そっと見上げると長い前髪を手でかきあげた。


ハッキリとした目鼻立ちと整った輪郭、凛々しい眉がたちまち露になる。


ドキッと心臓が飛び上がるほどにその仕草さえ綺麗に見えてしまった。



「お前こそ、何してたんだよ?常磐と二人で」


「えっ……?」


「オレの質問はシカトですか?」



眉を寄せた七瀬先輩は常磐君に一瞬だけ目をやる。