背中に響いた低い声はどしゃ降りの雨の中でもよく通る。 驚いて反射的に振り返ってみれば雨に濡れた七瀬先輩が眉をしかめて立っていた。 「七瀬先輩……っ、びしょ濡れ。なっ、何してるんですかっ!」 驚いて、思わず目をみはった。 口をついて出た言葉とは裏腹にそんなに日が明いてないハズの七瀬先輩の姿が、なぜかとても久しぶりに感じる。 「あーあ、ひどい格好だね。明日、風邪でもひくんじゃないの?」 常磐君がわたしの後ろで嫌味を含む。 本当にそう思うくらい雨に濡れた七瀬先輩にわたしは駆け寄った。