「いつも一緒に行動するクセに本音を言える友達はいなかった。それに、あたし自身が無理してて、窮屈だった」 しばらく視点の定まらない瞳を杏奈に向ける。 「高校に入ったら広く浅くより、友達の数じゃなくて“深く”付き合えるような、何でも話せる友達を見つけようって思ってた……」 そう言って杏奈は伏せた目でゆっくりわたしを見上げた。 それは初めて声をかけてくれた頃と変わらない子供のような無邪気な瞳で。