余裕を含んだ瞳を細めて微笑する七瀬先輩は、去り際にこう言い残していく。 「お前は黙って、オレにしがみついてればいんだよ。わかったか?」 なんてろくでなしなんだろう……。 まさに“美しい悪魔”という言葉通りの台詞を残して去っていく七瀬先輩。 悶々とした気持ちが膨れ上がる。 わたしの夏休みまでの平穏な日常は一体どうなってしまうのか。 「嫌なヤツ……」 言いながら八つ当たりの如くタオルケットを放り投げると、七瀬先輩のシトラスの残り香がほのかに宙を舞った……。