「なんと今まで一度も勝てなかった強豪校に勝ったの!津田先輩、ダンク三本も決めたんだよ!」



その興奮が覚めやまぬ杏奈は心底嬉しそうだ。



「おめでとう。竹川さんって、やっぱり津田先輩が好きだったんだね」


「ぎゃ……っ、常磐君!?」


「“ぎゃっ”て。怪物にでも出くわしたみたいな声出さないでよ。オレの存在忘れるほど、好きってわけ?」



クスクス笑った常磐君はいつものクラスメイトの常磐君の顔に戻っていて、わたしと杏奈もつられて笑う。


ずっと遠くから見ていた杏奈の想いが叶ったみたいで、じんわりと嬉さが込み上げる。