「なんで七瀬先輩だって思うの……?」
「それは、夏目先生が七瀬昴の隣で泣いてたから……“私じゃ、ダメなのかな”って。何度も通った保健室で、七瀬昴の背中にそう呟いてた……」
想いを募らせる常磐君が保健室へ通っていたなんて、わたしはこの時まで知らずにいた。
ーーー“お願いだから、あんまり苦しめないで……”
いつかの夏目先生の痛々しい声がわたしの中で反響する。
だからわたしはそれ以上何も聞かなかった。
「七瀬昴は、どうしてか、惹き付けられる存在だから。みんなアイツに目を奪われる……」
わたしの鼓動がドキッと跳ね上がった。



