「オレが保健室で出会った夏目先生は、泣いてたんだ……」
悲しく揺れる横顔を無神経な夏の太陽が照りつける。
「“好きな人がいるけど、自分じゃどうしようもないことってある”って夏目先生は言った。その理由が、七瀬昴だって知るのに時間はかからなかったけどね……」
ーーードクッ
落ち着きを取り戻したハズの気持ちが、再び深い渦を巻いていく。
暗い海の底に沈みそうだ……。
まさか常磐君も、二人の関係を知ってるんじゃないかとわたしは息を呑む。
そして夏目先生の涙のわけが七瀬先輩だということに、わたしの胸はざわざわと揺さぶられる。



