そしてわたしも頷いてしまう。 歩く姿は百合の花を連想させるほどの美しさで、文句のつけようがない。 「オレ、勉強より、夏目先生のことばっかり知って。おかげで成績は変わらずってかんじ」 「……先生の、こと?」 「ああ。クールビューティかと思えば以外と毒舌だったり、そのクセ子供っぽいイタズラしかけてきたり。オレの部屋に隠れて何度驚かされたかわかんないよ」 クスッと笑った常磐君の仔犬みたいな瞳が緩んで、とても大切な思い出のページをめくるみたいな口調だった。