「……っ、嘘っ。つ、津田先輩!?」 悲鳴に近い杏奈の声にわたしも反応する。 練習が終わったのかバスケットシューズを肩にかけるように持ち、荒々しい息を整えると教室の中へと踏み込んでくる。 「ちょ、待ってくださ……っ、今の聞いて……」 「あ?何?聞こえない」 「待って……」 と、瞬く間に赤面する杏奈は両手でぶんぶん顔を隠して混乱する。