「その理由を、オレから聞いてもいい?」
見たこともない真剣な表情が広がっていた。
この一年、常磐君は何もなかったかのようにわたしと接して、同じ学級委員として話す機会なら幾度となくあったのに。
変わらずいつも優しくて穏やかだった。
「あの日は、何でもないから……」
「じゃあ、どうして泣いてたの?」
「……ごめんね、言いたくない」
緊張の糸がプツッと切れたようにやっと声を出したけれど、その続きは到底言えない。
ーーーお願いだから何も触れないで。
「七瀬昴と関係があるんじゃないのか?だって、アイツ」
「ど、どうして?なんで、七瀬先輩の名前が出てくるの……?」
どうしても七瀬先輩と結びつけるような声に、わたしの思考は疑問でいっぱいだった。



