「さぁ?なんででしょう?」
わたしの顎をつまんだ指をそっと離して七瀬先輩はクスッと笑って誤魔化した。
よりにもよってこの悪魔に知られていたなんて夢にも思わなかった。
それにあの時あの場所には………。
「いっ、言わないでください!誰にも、お願いだから……」
やめて、誰にも知られたくない……。
気づけばわたしは目を伏せて大嫌いな七瀬先輩に懇願していた。
例え世界が破滅するとしても絶対に知られたくないことだから。
暫し沈黙が続いて「じゃあ」と七瀬先輩が何か企んだような口調で言った。
ーーー危険な笑顔が迫る。
じゃ、じゃあ…………?