「七瀬先輩も反射神経いいから手強そうだけど、津田先輩の攻めには敵わないハズ……っ、あっ」 彼を視界に映すだけで一喜一憂するのに、そんなに想っているのにどうして杏奈は悲しいことを言ったんだろう。 ーーー“あたしの恋は、きっと実らないから” 津田先輩を遠くから見つめる杏奈の大きな瞳は、星の欠片でも入り込んだみたいにキラキラ輝いて見えるのに。 「好きなんだね?」 「うんっ!津田先輩はバスケが生き甲斐だから」 「……えっと。違くって。杏奈が、その……津田先輩のこと、すごく好きなんだなって」