わたしはその出来事が多いに関係してかこの時期は保健室で休むことが増えて。


だけど、毎回と言っていいほど保健室の前の廊下の先にはいつも、七瀬昴が居た。


保健室に入る前に必ずこの人と目が合って、憂いを帯びたような瞳が、どうしてかわたしを捉えていると思っていた。



何か言いたげな瞳からわたしはずっと逃げて。


美しい悪魔と囁かれるこの瞳がわたしは嫌いだ。



けれど、もしかしたら七瀬先輩が想いを寄せる夏目先生と恋愛関係があったからなのかもしれないと、今なら理解出来る。


わたしに何か言いたげな瞳をしていたように思えたけど、好きな人が待つこの保健室へ七瀬先輩は逢いに行っていたのかもしれない。



「なんでアナタが知ってるんですか……?」