「嘘じゃねぇって」 「……っ、ちゃんと、好きな人が、目を奪われるような人がいるクセに」 夏目先生だってアナタみたいな悪魔を、何よりも愛しそうに想ってるのに。 「好きな女、いるよ。目を奪われるくらいな?」 「……ほらっ。だったら夏休みまでと言わずに、わたしなんか」 「つーかさ。その自分なんかってのやめろよ?」 「はい……?」 人が意を決して訴えようとしてるのに。 わたしから夏休みではなくもう今からアナタとの秘密の駆け引きみたいなことを、曖昧な時間の共有を終わらせようとしてるのに。