そう焦ったけれど時既に遅し。 本棚から顔を出していた挙げ句、物音までたててしまうバカっぷりを悪魔が見過ごしてくれるハズもなかった。 「お前って、盗み聞きが趣味だったわけ?」 もうっ、今日はなんて日なんだろう……。 わたしに悪の大王でも降臨したみたいな一日だ。 「人聞きの悪いこと言わないでくださいっ……」 「今の聞いてたんだろ?」 ギクッ……。 そんな表情をどう隠したらいいか迷ってると、躊躇いもなく図書室の中へ侵入してくる七瀬先輩から必然的に目を逸らした。