恋……してるんだ。


いたたまれない気持ちに襲われたわたしは、夏目先生にお礼を伝えて保健室を出ると、干からびた身体を引きずり下駄箱まで向かった。


夏目先生と七瀬先輩……。


誰が見たってうっとりするくらいの見事にお似合いな二人。


絵に描いたような童話の中の王子と姫君。


最早わたしは、例え夏休みまでの期限付きであっても飽きたら捨てられるオモチャにもならないような存在。



ーーードンッ!



「痛っ……」



どんよりと下を向いていたせいか正面から誰かにぶつかった。


さらに、立ち止まるわたしの視界にドサドサと本の山が流れ込んできた。