「言いふらしてみろよ?」
「はっ……はい?」
「オレが秋帆と保健室でいかがわしいことしてたってな?」
いかがわしいって……そんなズバリ……。
夏目先生の名前を呼び捨てにしこれっぽっちも悪びれた様子のない口調はむしろ堂々としている。
さらに「学級委員のお前の言うことなら説得力あんだろ?」と、自ら煽るような言葉を吐いた。
「いいんですか?本当に、言っても……」
告発する気なんて全くないけれど、七瀬先輩がびくともしないから強気な姿勢くらいは見せなくては……。
「言わないでくれ、なんてオレが言うとでも思ってんの?」
そう声を落として胸まで伸びたわたしの髪の先に指先で触れる。
「それに、秘密を握られてるのはお前もだって知ってた?」
ドクッと心臓が激しく打ち出した。



