悪態をつきながらも“迷惑”ですとは言えなくなってしまっていることに気づいて、その先の言葉に詰まるしかなかった。
それでもわたしの精一杯でそう言ったあと、七瀬先輩を見上げて、後悔した。
だって、瞳に映した瞬間……。
耳まで熱くなるのが自分でもわかったから。
「だからなんだよ?オレ、わがままだって言ってんだろ?」
首を傾けてツンと答える身勝手な七瀬先輩。
ーーー“優しくしてぇだけなんだ”
昨日、保健室で言われた言葉がぐるぐる巡って目眩すら起こしそうになる。
アナタの優しさは一体どこが優しさなのか。
その真意を、この時のわたしには、到底わかるハズもなかった。