窓際でヒソヒソとした話し声のボリュームが次第に大きくなる女の子達の言うことに、わたしも思わず頷いてしまう。


誰が見てもお似合いな二人。


当たり前だよね、二人はもしも、じゃなくて本当に付き合ってるんだから。



「ねぇ、八重?七瀬先輩って夏目先生と付き合ってると思う?」


「えっ……それはないんじゃないかな?いくらなんでも、夏目先生は先生だし……」



なんでわたしが七瀬先輩の秘密をかばってドギマギしなきゃいけないのよ。



「でもさ?あの七瀬先輩だよ?あり得なくもないような気がしない?二人なら」



そう、“二人なら”。


最後の杏奈の言葉にズキッ……と胸が痛んだのは、きっと気のせい。



「それに、七瀬先輩の“あの噂話”も、もしかしたら本当にありそうじゃない?」


「噂話?」