「ねぇ、もしも。あの二人が付き合ってたらどうする?」


「そりゃショックでしょ……てか、やめてよ!勝目ないじゃんっ」



杏奈と教室へ戻る途中で不意に女の子達の話し声が聞こえてきた。


あの二人……?


足を止めて会話をする女の子達が見つめる先へとわたしも視線を移す。



「あっ、七瀬先輩と夏目先生だ!」



わたしと同じく必然的に足を止めた杏奈も二人の姿に気づいたらしい。


離れた先に見えるのは保健室の前の廊下に寄りかかる七瀬先輩と……。



「夏目先生ほんとに綺麗だもんね。王子と姫って言葉がピッタリ。絵になる二人って、あんな感じじゃない?」