「でも、知ってんだよ。あの駐車場で怯えてたんだろ?」
「……だからっ、どうしてアナタがって聞いてるじゃないですか……!」
七瀬先輩の言う通り怯えていたのも事実で。
誰にも知られたくないことに触れられたせいか、つい感情的になって語気が荒くなるのが自分でもわかる。
「答える気はない。つーか、オレは言いふらすつもりなんかねぇよ?」
知られたくはなかった。
なのに、どうして七瀬先輩が知ってるのか、なぜ理由を答えてくれないのか疑問は増すばかり。
「もう、いいです……、」
感情の読み取れない表情がわたしには痛くて。
それ以上、七瀬先輩を見ているのも耐えきれなくて目を伏せた直後。
躊躇いがちに伸びてきた七瀬先輩の大きな手が、わたしの頭に触れた。



