* * * 一年前の悪夢を閉じ込めてベッドから身体を起こしたわたしは、顔をしかめた七瀬先輩に視線を向ける。 「……アナタは、あの場にいなかったハズです。だって、あこにいたのは……っ、常磐君だけでした……」 シトラスの香りをそばに感じる距離に七瀬先輩はいるというのに、何も言おうとしない。 常磐君もあの一件があったけれど夏休みが明けて学校で会っても、わたしに何も聞こうとはせず、まるで何もなかったかのように今日まで接してくれている。