【完】七瀬先輩と秘密の恋におちて




絶望しかないわたしの思考に昔お母さんに言われたことを思い出した。



『いい?八重。女の子を守ってくれるのは、強い男の子なのよ?』



じゃあ、女の子を傷をつけるのは薄汚れた力を持った男なんだろうか?


ワイシャツの隙間にベタベタの手を忍び寄せて、何度も荒々しい呼吸を繰り返している。


熱中症を呼びかけるくらいのこんな暑さの中を遊ぶ子供達の姿もないのは当然で、誰も助けてくれるハズがない。



胸元に進もうとする手の感触に吐き気さえして、汗か涙かわからないものがどっと吹き出てきた。



助けなど来ないのなら、このまま意識を消してしまいたい。


押し寄せる絶望に諦めかけた直後。



『火事だっ……!』



夏空から低い叫び声が唐突に降ってきた。