“非常時には大きな声を出すんだぞ!”
そんなもの子供の頃から教わっていたけれど、身体に隕石でもぶち当たったような衝撃を受けて、声なんて出せるはずもない。
『……大人しくしててくれよな』
叫べるものなら叫んでる……。
声を出さなきゃって死ぬほど思ってるのに、喉元まで出てかっているのに。
ストッパーでもかけられたみたいに出せなくて。
誰か、誰でもいいからっ、誰か来て……!
『い……っ、いやっ……!』
死ぬもの狂いで出した空気みたいな声も、わたしの太ももに忍ばせた這うような手に夢中な男には届くハズもなかった。
ざわざわと肌が震え出して気持ち悪いと死ぬほど感じた。
ゴツゴツとした感触が乱暴な手つきへと変わり、制服の襟元からぶらさがったリボンを引きちぎった。



