「小田川さん」
案の定、遠藤さんが声をかけてくる。
彼女の眼つきも声もすでに好戦的で、なんだか獲物を前にした肉食獣が舌なめずりしている姿を連想してしまった。
「な、なに?」
「球技大会に参加しないのはわかったけど、それならあたしの仕事を手伝ってくれない? 希望種目の人数割り振りだけじゃなくて、運営の役割も決めなきゃならないし、スローガンも決めなきゃならないし、忙しくて大変なの」
「……いつ手伝えばいいの?」
「放課後」
「あ、ごめん。放課後は毎日お母さんが決まった時間に迎えに来るから、ちょっと無理かも」
「用事があるから遅くなるって言えば?」
それは、そうなんだけど。
そう言ったからって、うちのお母さんが納得するとは思えない。
『まだ術後ひと月しか経っていないのに、無理しちゃだめよ。クラスの用事は許してもらいなさい。先生にはちゃんと説明してあるんだから』
っていう返事が返ってくるのは、わかりきっている。
お母さんの言うことを素直に聞かないと、また不安に駆られて気持ちが不安定になってしまうだろう。
そういった詳しい事情を隠したままで、どう遠藤さんに答えればいいのか視線をフラフラ泳がせながら思案していたら、遠藤さんがたたみ掛けてきた。
案の定、遠藤さんが声をかけてくる。
彼女の眼つきも声もすでに好戦的で、なんだか獲物を前にした肉食獣が舌なめずりしている姿を連想してしまった。
「な、なに?」
「球技大会に参加しないのはわかったけど、それならあたしの仕事を手伝ってくれない? 希望種目の人数割り振りだけじゃなくて、運営の役割も決めなきゃならないし、スローガンも決めなきゃならないし、忙しくて大変なの」
「……いつ手伝えばいいの?」
「放課後」
「あ、ごめん。放課後は毎日お母さんが決まった時間に迎えに来るから、ちょっと無理かも」
「用事があるから遅くなるって言えば?」
それは、そうなんだけど。
そう言ったからって、うちのお母さんが納得するとは思えない。
『まだ術後ひと月しか経っていないのに、無理しちゃだめよ。クラスの用事は許してもらいなさい。先生にはちゃんと説明してあるんだから』
っていう返事が返ってくるのは、わかりきっている。
お母さんの言うことを素直に聞かないと、また不安に駆られて気持ちが不安定になってしまうだろう。
そういった詳しい事情を隠したままで、どう遠藤さんに答えればいいのか視線をフラフラ泳がせながら思案していたら、遠藤さんがたたみ掛けてきた。


