ごめんね、キミが好きです。~あと0.5ミリ、届かない想い~

 家族総出でゾロゾロと廊下を歩き、診察室へ直行する。

 部屋の前のソファーに座って診察の順番待ちをしている間に、あたしと同じ入院着を着た患者さんたちが、目の前の廊下を次々と通り過ぎていった。

 世の中、こんなに大勢入院している病人がいるのかと驚くほどだ。

「小田川さん、中へどうぞ」

 あたしの順番がきて、やっぱり家族総出でゾロゾロと診察室へ入っていき、昨日手術をしてくれた担当の先生の前に座った。

 先生がそっと眼帯を外してくれた途端、あたしの目を見たお母さんとおばあちゃんが息をのみ、お父さんとおじいちゃんの表情が強張る。

 明らかに動揺している家族を前に、まず先生は、目を診察する機械で左目を丹念に見てくれた。

「うん、縫合も綺麗だね。よしよし」

「あ、あの、先生? そんなに目が真っ赤で娘は大丈夫なんでしょうか? 手術は成功したんでしょうか?」

「先生、その充血は合併症ですか? まさか拒絶反応ですか?」

「手術後はどうしても充血します。順調であれば、徐々に引いていきますから」

 看護師さんが湿った綿棒で、そーっとそーっと、優しくあたしの左目の周りを拭いてくれる。

 その間、なんだかんだと矢継ぎ早に質問をぶつける両親に対して、先生は穏やかに答えてくれていた。