ごめんね、キミが好きです。~あと0.5ミリ、届かない想い~

 そのうえ、たとえ小魚だろうが頭から丸齧りなんて行為は信じられない。

 火が通っているとはいえ、内臓を食べるなんて考えただけで吐き気がするのに。

「翠、いったい今朝はどうしたの?」

 お母さんの怪訝そうな声を聞いたあたしは、瞬時に笑顔を作って答えた。

「う、うん。たまにはご飯もいいかなって思ってさ。日本人だしね」

「おお、翠も大人になったもんだなあ。これから毎朝おじいちゃんと一緒に白いご飯を食べような?」

 朝は絶対和食党なおじいちゃんが、機嫌良さそうに笑った。

 あたしも一緒になって笑いながら、モソモソと機械的に白いご飯を口に運んでお味噌汁を飲み込んだけれど、味なんて微塵も感じない。

 テレビから聞こえてくる朝の情報番組の、女性アナウンサーのやたらと明るい声や、お父さんたちが普通に朝ご飯を食べている姿や、お母さんたちが台所で流すいつもの水音が、ひどく遠い世界のように思えた。

 まるで砂を噛むような朝食を終えて、あたしは逃げるように自分の部屋へ駆け込む。

 そしてベッドに腰掛けてガックリと頭を下げて、茫然と自分の足元を見つめながら途方に暮れてしまった。