「おーい坂井、ちょっと待てよ」
「おお」
廊下から不意打ちで聞こえてきたその声に、あたしの心臓ばかりか体までがビクンと跳ね上がってしまった。
反射的に声の方を振り向けくと、ちょうど視線の真っ直ぐ先、教室のドアの向こうに坂井君が立っているのが見えて、全身に衝撃が走る。
思わず凝視してしまった視線がよほど強かったのか、横を向いていた坂井君がパッとこっちを振り向いた。
目と目が合った瞬間、心臓が破裂しそうになって、気がつけばあたしは熱したヤカンに触れたようなすごいスピードで彼から顔を背けていた。
そんな挙動不審な様子に気がついた千恵美ちゃんが、廊下の坂井君の存在に気がついて、あたしの肩をつんつん突っついてくる。
「翠ちゃーん。ほら、噂の坂井君があなたを見つめてますけどお?」
からかう声に、顔から血の気が引いた。
見てる? 坂井君があたしのことを、見ているの?
まともに息もできないくらい全身がバクバク脈打っているのに、手足の先は血が通っていないのかと思うほどに冷えて、震えていた。
見たくない物から必死になって視線を逸らしながら、体中の器官の全てで、嫌というほど強烈に坂井君の存在を感じている。
「おお」
廊下から不意打ちで聞こえてきたその声に、あたしの心臓ばかりか体までがビクンと跳ね上がってしまった。
反射的に声の方を振り向けくと、ちょうど視線の真っ直ぐ先、教室のドアの向こうに坂井君が立っているのが見えて、全身に衝撃が走る。
思わず凝視してしまった視線がよほど強かったのか、横を向いていた坂井君がパッとこっちを振り向いた。
目と目が合った瞬間、心臓が破裂しそうになって、気がつけばあたしは熱したヤカンに触れたようなすごいスピードで彼から顔を背けていた。
そんな挙動不審な様子に気がついた千恵美ちゃんが、廊下の坂井君の存在に気がついて、あたしの肩をつんつん突っついてくる。
「翠ちゃーん。ほら、噂の坂井君があなたを見つめてますけどお?」
からかう声に、顔から血の気が引いた。
見てる? 坂井君があたしのことを、見ているの?
まともに息もできないくらい全身がバクバク脈打っているのに、手足の先は血が通っていないのかと思うほどに冷えて、震えていた。
見たくない物から必死になって視線を逸らしながら、体中の器官の全てで、嫌というほど強烈に坂井君の存在を感じている。