ごめんね、キミが好きです。~あと0.5ミリ、届かない想い~

 そのひどく気まずい雰囲気に慌てたあたしが、遠藤さんに謝罪しようと口を開いた瞬間、遠藤さんが大きな溜め息をついた。

「もういいよ。迷惑かけられたんだから、せめて謝ってもらえるかと思ったんだけど。まさか逆に責められるとは思わなかった」

 そう言って遠藤さんはツンと顔を逸らし、あたしと千恵美ちゃんから離れて、自分がいつも一緒にいるグループの輪の中に入っていく。

 そしてグループの面々と額をくっつけ合わせながら、眉間に皺を寄せてヒソヒソ話をし始めた。

 クラスメイトたちは、遠藤さんのグループと、あたしと千恵美ちゃんふたりをチラチラ見比べていたけれど、またおしゃべりを再開する。

 その会話の群れの中に、『なにあれ?』『なんかあったの?』って声が混じっているのが聞こえて、あたしは小さく肩をすぼめた。

 それでも気まずく澱んだ空気はどうにか流れ始めて、教室が一応いつもの雰囲気を取り戻したことにホッとする。

「なにあれ! ムカつく!」

 遠藤さんたちを睨んでいる千恵美ちゃんが、鼻からフンッと息を吐き出した。

「遠藤さんて、なんでいつもいつも翠ちゃんに、ああいう根性悪い態度とるんだろうね!?」

「でも今回の件は、遠藤さんの言う通りかも。あたし、ちょっと気が回らなかったな」

「なに言ってんの!? あんなの、理屈こね回して強引に翠ちゃんを悪者に仕立て上げてるだけじゃん!」

「いいの。あたしは大丈夫だから」