ごめんね、キミが好きです。~あと0.5ミリ、届かない想い~

「ねえ翠、本当に大丈夫? 目に違和感とか感じないの?」

「うん、心配ないよ? どうして?」

「さっき診察で、先生に妙なこと聞いてたでしょ? 夢を見る……とかなんとか」

「ああ、そのこと?」

 あたしは、さっきの診察室でのやり取りを思い出した。

 担当の先生に、『なにか気になることや、普段と変わった感じはないか?』と聞かれて、つい口が滑ってしまったんだ。

 ……例の、少年の夢のことについて。

 実は奇妙なことに、あたしは、あの少年が出てくる夢をいまだに見続けている。

 三日に一回くらいの頻度で見る夢のシチュエーションは様々だけど、登場人物は決まってあの少年。

 彼がお風呂上りにペットボトルのコーラをラッパ飲みしているシーンとか。

 彼が大好物のカレーライスを夢中で頬張っているシーンとか。

 彼が大きなジグソーパズルに挑戦しているシーンとかの、日常のひとコマを切り取ったような夢ばかり。