ごめんね、キミが好きです。~あと0.5ミリ、届かない想い~

「わー、タオルあったかーい。気持ちいいー。やっぱりお母さんに頼んで良かったー」

 甘えた声を出すあたしの顔を拭きながら、お母さんはとても嬉しそうに微笑んでいる。

 いつもあたしのためになにかをしたいと願っているお母さんにとって、こんな些細なことさえ嬉しくてたまらないんだ。

「ふふ、こうしてお世話してると、翠がまだ赤ちゃんだった頃のことを思い出しちゃうわ」

「あらあら、ずいぶん大きな赤ちゃんだねえ。翠ちゃん?」

「おぎゃーおぎゃー」

 おどけて指をしゃぶるふりをしてみせたら、みんなが声を上げて笑った。

 目の前で家族がたしかに笑ってくれていることに、あたしは心からホッとする。

 あたしがこの笑顔を守らなければならない。

 だって、あたしのせいで家族の幸せは壊れかけてしまったんだもの。

 この目は生まれつきの病気じゃない。あたしの不注意のせいの、いわば自業自得なんだ。

 自業自得のくせに、人から奪ってしまった目で泣く資格は、あたしには無い。