突然、目の前の親友は豹変して叫びだした。
ヘラヘラしていた顔から笑みは消え、歪んだ唇がフルフル小刻みに震えている。
眉間にギュッと皺を寄せて、手の色が変わるほど強く拳を握りしめながら、彼は声を迸らせた。
『本当はわかってたんだよ! 自分が親に捨てられたことも、現実を変える強さもないことも、認める勇気もないことも、希望を持つふりだけはうまい、弱い男だってことも!』
『け、啓太郎……?』
『会って話せ!? 俺がいない時間をわざわざ狙って戻って来た父親にか!? なに話すんだよ!? もう離婚届けにハンコ押しちまってる相手に向かって、お父さん僕を捨てないでくださいってか!? それとも、お久しぶりですねぇ、でもこれでさようなら、お世話になりましたってか!?』
『……』
『お前がついて来てどうすんだよ! なに見るつもりだよ! 俺が決定的に捨てられる場面か!? そんなもん見られたくなんかねえし、体験したくもねえんだよ!』
堰を切ったように溢れる言葉と、感情。
激しく頭を左右に振るたび、透明な涙がボロボロと頬を零れ落ちていく様を、呆気にとられて眺めていた。
目の前にいる親友が、いきなり別人になってしまったのかとさえ思った。
『お前の言葉を聞くたび、つらかった! お前の存在がずっと負担だった! お前に励まされつづけていたせいで、俺は諦めることも楽になることもできなかったんだ!』
思ってもみなかった言葉が、刃物のように胸に鋭く深く突き刺さり……
追い詰められた親友の絶叫と、溢れる涙と、吐き出される恨みの言葉を最後に、ふたりの友情は終わった……。
ヘラヘラしていた顔から笑みは消え、歪んだ唇がフルフル小刻みに震えている。
眉間にギュッと皺を寄せて、手の色が変わるほど強く拳を握りしめながら、彼は声を迸らせた。
『本当はわかってたんだよ! 自分が親に捨てられたことも、現実を変える強さもないことも、認める勇気もないことも、希望を持つふりだけはうまい、弱い男だってことも!』
『け、啓太郎……?』
『会って話せ!? 俺がいない時間をわざわざ狙って戻って来た父親にか!? なに話すんだよ!? もう離婚届けにハンコ押しちまってる相手に向かって、お父さん僕を捨てないでくださいってか!? それとも、お久しぶりですねぇ、でもこれでさようなら、お世話になりましたってか!?』
『……』
『お前がついて来てどうすんだよ! なに見るつもりだよ! 俺が決定的に捨てられる場面か!? そんなもん見られたくなんかねえし、体験したくもねえんだよ!』
堰を切ったように溢れる言葉と、感情。
激しく頭を左右に振るたび、透明な涙がボロボロと頬を零れ落ちていく様を、呆気にとられて眺めていた。
目の前にいる親友が、いきなり別人になってしまったのかとさえ思った。
『お前の言葉を聞くたび、つらかった! お前の存在がずっと負担だった! お前に励まされつづけていたせいで、俺は諦めることも楽になることもできなかったんだ!』
思ってもみなかった言葉が、刃物のように胸に鋭く深く突き刺さり……
追い詰められた親友の絶叫と、溢れる涙と、吐き出される恨みの言葉を最後に、ふたりの友情は終わった……。


