ごめんね、キミが好きです。~あと0.5ミリ、届かない想い~

 涙で鼻が詰まるのか、啜り上げて吐き出す息が大きく乱れて、すごく苦しそうだった。

 何度も何度も繰り返される『ごめんね』の泣き声に、思わず『そんなことないよ、大丈夫だよ』って答えそうになったけれど……

 言ったら、そのことが逆にお母さんを悲しませるような気がして、どうしても言えない。

 いつまでも眠ったふりを続けるあたしと、何度でも謝り続けるお母さん。

 目を閉じたままずっと終わらない時間が、胸をキリキリと縛られるように痛くて、切なかった。

『お母さんの角膜、翠にあげる』

 泣き声と一緒にポタリと、頬骨のあたりになにかが一滴、当たる感触がした。

『片方で足りなかったら、もう片方もあげる。お母さんの両目をくり抜いてでも、きっと翠の目を見えるようにしてあげるからね』

 ポタリ、ポタリと続けざまに雫が頬へ落ちて流れて、鼻先から枕へと伝っていく。

 濡れてしまったあたしの頬を拭くお母さんの手が、そっと左瞼に触れた。

 まるで壊れ物を扱うように動く指先が、閉じられたままの瞼の上を、願うように撫で続ける。