ごめんね、キミが好きです。~あと0.5ミリ、届かない想い~

 両手から顔を離した三津谷さんは、背中を丸めてボンヤリと俯いている。

 足元の砂混じりの土を見つめる顔には、海から吹く風に揺れる頭上の松葉の影が映って、前髪と一緒に揺れていた。

「さすがにさ、衝撃は大きかったよ。ああ、ついに来るべきものが来た。これで終わってしまったって。……でも、終われることに安心も感じた」

 もしかしたら、いつかは元通りになるかもしれないという、一本の細い糸のような暗黙の空気。

 そんな頼りない糸に縋り続けた危うい偽りの日々も、ついに終わりを告げる。

「だから、笑って終わりにしようと思ったんだ。これが現実なんだからしかたないよなーって。俺は今までこんなに頑張ったんだけど、しかたないんだから、もう頑張る必要ないよなーって」

 三津谷さんの言う通りだ。それで、終わりにすればよかったのに。

 ……自分が、余計なことを言った。

 昨日までとはまったく違った、ヘラヘラした無気力な笑顔を見せる親友に驚いて、イラついた。

 お前はそんな弱っちぃ男じゃないって勇気づけて、助けてやりたかったんだ。

 それが自分の役目で、正しいことだと信じていたから、思いつく限りの余計なことを熱弁した。

『親父さん、いま家にいるんだろ? 会って話せよ』

『いや、いいよ会わない。もういいんだ』

『いいわけないだろ? 話せよ。諦めるなよまだ頑張れよ!』

『もういい。もう、頑張らなくていいんだ』

『なんでだよ!? これが最後のチャンスなんだぞ!? お前、ずっと信じ続けてきたんだろ!? 親父さんに会いづらいなら俺も一緒に行っ……』

『最後のチャンス!? チャンスなんて本当は、最初から最後まで微塵も残ってなかったんだよ!』