ごめんね、キミが好きです。~あと0.5ミリ、届かない想い~

「でも叶はいつも言ってくれたんだよ。俺も一緒に信じるから諦めるなって。頑張れって、励ましてくれた」

 あぁ……そうだ。自分は彼を励ましたんだ。

 でも一日一日、日ごとに希望は薄れ、それにつれて否応なく現実は差し迫る。

 祈りは届かず厳しい事実だけが積み重なって、認めたくない物がどんどん形を成してくる。

 そんなどうしようもない日々に苦しみ続ける相手に対して、自分は、

『きっと親父さんはお前の元に帰ってくる。大事な息子を捨てるわけがないんだから』

 現実に父親に捨てられてしまった親友に向かって、そんな残酷な言葉を投げ続けていた。

 それでも、彼は笑っていた。いつも笑顔で力強く頷いていた。

 だからその笑顔が心からのものではないことを、自分は気づくことができなかった。

『絶対に大丈夫だから、頑張れ』

 そんな言葉を言われてしまったら誰だって、ああ頑張るよとしか、返事のしようがないのに。

 どんなに、もう諦めてしまいたいと心の中で泣き叫んでいたとしても、言葉にできなくなってしまうのに……。

「結局、正式に両親が離婚することになってさ。書類持って親父が数年ぶりに帰ってきたんだ」