……保護メガネの奥の左目が、疼く。
痛みとは違った、熱さを伴ったもどかしい感覚が走って、まるで左目が大声で叫んでいるような気がした。
そのたびにあたしの脳裏に、あたし自身は知らないはずの記憶の情景が、線香花火の火花みたいにパチパチと連続で甦ってくる。
真新しい学ラン。校門前に立てかけられた『入学おめでとう』の看板。初めて入った教室の机とイス。
あぁ、そうだ。中学に入学してすぐ、他のクラスメイトたちとは違う空気を醸し出している三津谷さんの存在が、妙に気になったんだ。
少しずつ親しくなって、気がつけば下の名前でお互いを呼び合うようになり……ひとつの缶ジュースを回し飲みする間柄になった頃に、打ち明けられた。
『俺は平気だよ。だって親父はいつか必ず俺の所に帰ってくるんだから』
すべてを話し終えた後で、親友は明るい笑顔でそう断言した。
過酷な家庭環境にもへこたれず、笑顔で明日を信じることができる親友の強さを目にして、心を打たれた。
こんな深刻な話を打ち明けてもらえる仲になれたことが嬉しくて、その友情に応えるためにも、彼が信じることを自分も一緒に信じたかった。
信じることによって親友を勇気づけて、彼の唯一の味方でいたかった。
力になれていると、自分は信じ切っていた。
「叶に言ったことを、俺は必死に信じようとしてた。だって信じられなくなったら、認めるしかないんだよ。……自分が実の父親にとって、捨ててもいい程度の価値しかなかったって事実を」
痛みとは違った、熱さを伴ったもどかしい感覚が走って、まるで左目が大声で叫んでいるような気がした。
そのたびにあたしの脳裏に、あたし自身は知らないはずの記憶の情景が、線香花火の火花みたいにパチパチと連続で甦ってくる。
真新しい学ラン。校門前に立てかけられた『入学おめでとう』の看板。初めて入った教室の机とイス。
あぁ、そうだ。中学に入学してすぐ、他のクラスメイトたちとは違う空気を醸し出している三津谷さんの存在が、妙に気になったんだ。
少しずつ親しくなって、気がつけば下の名前でお互いを呼び合うようになり……ひとつの缶ジュースを回し飲みする間柄になった頃に、打ち明けられた。
『俺は平気だよ。だって親父はいつか必ず俺の所に帰ってくるんだから』
すべてを話し終えた後で、親友は明るい笑顔でそう断言した。
過酷な家庭環境にもへこたれず、笑顔で明日を信じることができる親友の強さを目にして、心を打たれた。
こんな深刻な話を打ち明けてもらえる仲になれたことが嬉しくて、その友情に応えるためにも、彼が信じることを自分も一緒に信じたかった。
信じることによって親友を勇気づけて、彼の唯一の味方でいたかった。
力になれていると、自分は信じ切っていた。
「叶に言ったことを、俺は必死に信じようとしてた。だって信じられなくなったら、認めるしかないんだよ。……自分が実の父親にとって、捨ててもいい程度の価値しかなかったって事実を」


