ごめんね、キミが好きです。~あと0.5ミリ、届かない想い~

 絶交するくらいなんだから、ふたりの間に生じたわだかまりの深さは、相当だったんだろうと思う。

 大事な親友と修復不能な大喧嘩をして、縁を断ち切ってしまったことは、三津谷さんにとって大きな傷になっているだろうし。

 その親友の突然の死にも大きな衝撃を受けただろうし、このうえ『彼の最期のメッセージを届けに来ました』なんて言われたら、引いてしまうのも無理ない。

 人と人との感情って、いったんもつれたり、こじれたりすると、根深い。

 地を這う松の木の根っこみたいに、どこまで続くのかわからないほど長くてウネウネと捻じれたものが、時折ひょこりと地面から顔を出しては、足を掬う。

 容易には解消できないまま、何年も持て余してくすぶり続けてしまうことは、あたし自身もよく知っていた。

 あたしも、自分をイジメた相手に対して、おそらく一生グネグネと捻じれた感情を持ち続けて生きていくのだろうから。

 三津谷さんと叶さんの事情とは違うだろうけど、もしもあたしが昔のイジメっ子から最期のメッセージなんて物を届けられても、そんなの正直言って聞きたくない。

 だってどんな言葉を伝えられても負担なだけだし、迷惑だし、それによってまた苦しめられるのが怖いから。

 でもあたしは、叶さんの気持ちも知っている。

 身を捩るほど切望する彼の気持ちと願いを、痛いぐらい知っている。

 なんとしても伝えたい側の気持ちと、知りたくない側の苦悩。

 その両方の気持ちがこの胸の奥で混じり合ってぶつかり合って、どちらも共感できるからこそ、つらかった。