「前園先輩って、いつも何考えてるんですか?」 「え?」 柔らかい風がふたりの髪を揺らす。 ふと聞いてみた質問に、前園先輩は首を傾げた。 「何考えてると思う?」 「分からないから、聞いてるんじゃないですか」 分からないの、全然。 何を考えているのかも、誰を想っているのかも。 ただ分かるのは、そんな不思議な彼のことが大好きだってことだけで。