体育祭の練習で疲れた身体を引きずるあたしに、アパートのそばから弾んだ声が風に乗って届く。 うなだれた顔を持ち上げれば、マロンクリームの色がふわり揺れた。 あ、あれって……。 おずおずと玲央の部屋から出てきたのは……。 「あれ?もしかして、麻白さん?」 みっ、御木本さん……!? くるんと振り返った御木本さんがすぐさまあたしの存在に気づいたもんだから、大きく開いた口を閉じもせず立ち尽くすことになった。