莉子の声にハッとして玲央から目を逸らす。



「忘れてやるんだから……」


「うんうん。その意気だよ。そうしなさい」



あの日はさすがにショックで、玲央の言葉の意味とか、キスの……理由とかをどう受け止めたらいいのかわからなくて。



莉子にラインで金髪の男がやつれたスタンプを送りつけて、駆けつけてくれた莉子に相談した。



そして、あたしは開き直ったかのように答えを見つける。



“本気で玲央のことを忘れる”……。



最初からそうしてここに来たんだから、今さら再会したところでアイツを許せるハズもないわけで。