「っ、あたしは、玲央が大嫌いってことも、アンタなんかに二度と会いたくなかったことも……っ、変わってないから……!」 ーーー全部、欠片もなく消してしまいたい。 あたしは後退りしながら部屋のドアの前に背中を寄せてめちゃくちゃに叫んだ。 玲央があからさまに眉をひそめて怒ったみたいにあたしを見下ろした。 「だから?」 「なっ……だ、だから、もう全部忘れたの!アンタのこと、忘れ……」 ーーードンッ! 歪んだ視界に恐る恐る目を開ければそこには、なんの感情も読み取ることも出来ない玲央の顔があった。