「……わたしね、行きたい高校があるんだけど、三葉も一緒に受験してみない?」



そこでどうしても陸上をやりたいと言う莉子についていくように、あたしは出来るだけ勉強して追い付くことに必死だった。


地元から三時間はかかる遠い高校だったけれど、環境を変えるチャンスだって、お母さんも言ってくれたんだ。



無事に合格した春休みに莉子はあたしに言った。



「三葉、わたしと一緒に走ってみない?もちろん、ゆっくりでいいよ?外に出て、太陽に浴びないと、ね……?」



莉子に手を引かれて少しずつ外に出て走ってみたら、驚くほど、すごく気持ちがよかった……。