へなへなと力が抜けて手のひらから紙袋が滑り落ちていく。



「ま、麻白……さん?」



あたしに気づいたのは仁科君だった。


反射的に振り返った玲央の瞳が驚きに染まる。



「三葉……」



滲んだ視界に映るのは何かを言いかけた玲央で。



胸が軋んで、張り裂けそうだった。



「玲央なんて、大嫌い……」



ーーー淡い恋心は色づき始めた瞬間、簡単に粉々になって散った。