「おい、聞いてんのか?」



ジリジリと迫るような声にハッとしたあたしは、慌てて半分開けたドアを閉めようとした。



ーーードンッ!



「待てよ……」


「ヒィ……っ!」



情けない声と同時にビクッと心臓が飛びあがるのも無理はない。


この男が、ドアの隙間に足をねじ込んでそれを阻止しようとするから。