「三葉ぁあああああ…………!!!」



教室を飛び出すように出れば、不安げな顔に染まる莉子が走ってくる。



「り、莉子ぉ……、」


「三葉のバカ……っ、心配するじゃん……!」


「ごめん……でも、あたし、もう逃げたくなかったの」



莉子は涙か鼻水かわからない何かをすすりながら、うんうんと頷いて、あたしの頭をムツゴロウさんの如く、くしゃくしゃに撫でまわした。



「よかったあ……。三葉が、御木本率いる顔面パレット集団にフルボッコにされてたらって思ったから……ううっ……」



が、顔面パレット……。

そんな冗談にも反応して、あたしは笑ってしまう。



「四ノ宮、アンタも遅いのよ…………!!」


「うるせぇよ……」